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もう1つの《トイレ系》の悩み!尿が出にくい時のクスリ【元ナースな医登販のクスリな小噺:第14回】

もう1つの《トイレ系》の悩み!尿が出にくい時のクスリ

どうも、皆さん。

看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。

看護師の専門知識と経験を活かし、

現在は某大手ドラッグストアで働いています。


《注* “医薬品登録販売者”とは…》

 ・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師

 ・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い

 詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。

もう1つの《トイレ系》の悩み!尿が出にくい時のクスリ

トイレに関するお悩み、まだまだ続く!

前回の記事に引き続き、今回も

《トイレ系の悩み》に関する薬の話をお届け。

 

 

前回の記事の中で、何かしらの原因で抱えてしまう

トイレに関するトラブル(排尿障害)をいくつか挙げました。



・トイレの回数が増える

・急にトイレに行きたくなる

・尿が出なくなる

・尿が出にくくて、トイレに時間が掛かってしまう

・尿が勢いよく出ない

・尿が膀胱に残ってしまう



↑上記のようなトラブルは、大きく2つに分類できそうです。



①『トイレ通いが頻繁で、我慢できずトイレ失敗』する系のトラブル 

②『尿が出にくくて困る、下手したらスッキリ出し切れずに残る』系のトラブル



 ①のトラブルに対して使われる薬は、

前回の記事でざっくり解説しました。

 

 今回は、②のトラブルに対して使われる

排尿を促進する薬に関する記事をお届けします!

尿が出にくくなる原因は…?

前回の記事で、過活動膀胱という疾患にちょっぴり触れました。



 実は、ソレとは逆方向な低活動膀胱というモノもあります。 

『排尿』に関わる神経に何らかの障害が起こると、

オシッコを出す過程でトラブルを抱える事があるんです。

(詳しくは『疾病・病態』系の授業で習いますよ~。)


また、男性特有の前立腺という器官に何かしらの異変があると、

“尿が出にくい系”のトラブルを生じる事があります。



↑上記のように尿道を取り囲んでいるので、ココでのトラブルは

トイレ系のお悩みに影響を与えがち。

前立腺肥大症は、わかりやすい一例ですね。

(詳しくは『疾病・病態』系の授業で習います。)

 

副交感神経のスイッチONを支援!《コリンエステラーゼ阻害薬》

副交感神経の働きを促して、排尿を促すタイプの薬がコチラ。



神経伝達物質(セチルコリン)を分解する酵素を阻害して、

副交感神経の働きを促進します。

この働きによって膀胱を収縮させて、排尿をサポートしてくれます。



主な薬として、


・ジスチグミン (ウブレチド)


 があります。

 

交感神経のスイッチ OFF!《α1遮断薬》

交感神経を抑制して、排尿を促すタイプの薬がコチラ。

 

 

尿道・前立腺の交感神経受容体(α1受容体)を遮断して、

尿道・前立腺をゆるっと弛緩させます。

 

(『交感神経』『副交感神経』が、それぞれ

“優位になった時の体の変化”は重要なので、要チェックですよ~!)

 

主な薬として、

 

・タムスロシン(ハルナール)

・シロドシン(ユリーフ)

・ナフトピジル(フリバス)

 

があります。

 

『市販の風邪薬』を飲んだら、尿が出なくなった?《副作用のハナシ》

風邪が流行する季節になると、市販の『風邪薬』を利用する人は大勢います。

市販の風邪薬には、風邪の様々な症状に幅広~く対応するために

様々な成分が配合されています。

実は、その中には何と…


  • ・尿が出にくくなる(排尿困難)

  • ・尿が出なくなる(尿閉)


↑の副作用を引き起こす成分があるんです!


その原因となる主なモノは抗ヒスタミン薬』『抗コリン薬

鼻水やくしゃみ等の症状を抑えるために配合されるのですが…

鼻だけではなく、トイレ方面にも影響を及ぼしてしまいます。


これらの薬は、副交感神経の働きを抑制する事で

膀胱をゆるっと弛緩させて、尿を溜めやすくします。

つまり、尿を出しにくくする方向に働いてしまうんです…。

『抗コリン薬』については前回の記事で解説済み

『抗ヒスタミン薬』は今後の記事で解説予定です。乞うご期待!)

例えばの話…前立腺肥大症の方が市販の風邪薬を使うと、

尿が出ずにトンデモナイ事になってしまうリスクがあるんです!

トイレ方面の悩みを抱え、ソレに関する治療を受けている方は

市販薬を使っていいかどうか、予め主治医や薬剤師へ相談しておくと◎。


市販の風邪薬は、とにかく種類が豊富!

「自分の症状に合ったモノってどれ?」と、

判断に迷う事が少なくない…と思われます。


「とにかく、眠くなるのは困る!」

「咳と喉の痛みがメインだから、鼻に効く成分は要らないかなぁ…」等々、

薬に求める条件や、症状は人それぞれです。


市販薬選びに悩む時は是非、“薬剤師”や

“医薬品登録販売者”に相談してみてくださいね!

症状などをしっかりヒアリングした上で、

適切な市販薬を提案させて頂きますよ!