どうも、皆さん。
看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。
看護師の専門知識と経験を活かし、
現在は某大手ドラッグストアで働いています。
《注* “医薬品登録販売者”とは…》
・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師
・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い
詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。
前回の記事に引き続き、今回も
《トイレ系の悩み》に関する薬の話をお届け。
前回の記事の中で、何かしらの原因で抱えてしまう
トイレに関するトラブル(排尿障害)をいくつか挙げました。
・トイレの回数が増える
・急にトイレに行きたくなる
・尿が出なくなる
・尿が出にくくて、トイレに時間が掛かってしまう
・尿が勢いよく出ない
・尿が膀胱に残ってしまう
↑上記のようなトラブルは、大きく2つに分類できそうです。
①『トイレ通いが頻繁で、我慢できずトイレ失敗』する系のトラブル
②『尿が出にくくて困る、下手したらスッキリ出し切れずに残る』系のトラブル
①のトラブルに対して使われる薬は、
前回の記事でざっくり解説しました。
今回は、②のトラブルに対して使われる
『排尿を促進する薬』に関する記事をお届けします!
前回の記事で、『過活動膀胱』という疾患にちょっぴり触れました。
実は、ソレとは逆方向な『低活動膀胱』というモノもあります。
『排尿』に関わる神経に何らかの障害が起こると、
オシッコを出す過程でトラブルを抱える事があるんです。
(詳しくは『疾病・病態』系の授業で習いますよ~。)
また、男性特有の『前立腺』という器官に何かしらの異変があると、
“尿が出にくい系”のトラブルを生じる事があります。
↑上記のように尿道を取り囲んでいるので、ココでのトラブルは
トイレ系のお悩みに影響を与えがち。
『前立腺肥大症』は、わかりやすい一例ですね。
(詳しくは『疾病・病態』系の授業で習います。)
副交感神経の働きを促して、排尿を促すタイプの薬がコチラ。
神経伝達物質(セチルコリン)を分解する酵素を阻害して、
副交感神経の働きを促進します。
この働きによって膀胱を収縮させて、排尿をサポートしてくれます。
主な薬として、
・ジスチグミン (ウブレチド)
があります。
交感神経を抑制して、排尿を促すタイプの薬がコチラ。
尿道・前立腺の交感神経受容体(α1受容体)を遮断して、
尿道・前立腺をゆるっと弛緩させます。
(『交感神経』『副交感神経』が、それぞれ
“優位になった時の体の変化”は重要なので、要チェックですよ~!)
主な薬として、
・タムスロシン(ハルナール)
・シロドシン(ユリーフ)
・ナフトピジル(フリバス)
があります。
風邪が流行する季節になると、市販の『風邪薬』を利用する人は大勢います。
市販の風邪薬には、風邪の様々な症状に幅広~く対応するために
様々な成分が配合されています。
実は、その中には何と…
・尿が出にくくなる(排尿困難)
・尿が出なくなる(尿閉)
↑の副作用を引き起こす成分があるんです!
その原因となる主なモノは『抗ヒスタミン薬』『抗コリン薬』。
鼻水やくしゃみ等の症状を抑えるために配合されるのですが…
鼻だけではなく、トイレ方面にも影響を及ぼしてしまいます。
これらの薬は、副交感神経の働きを抑制する事で
膀胱をゆるっと弛緩させて、尿を溜めやすくします。
つまり、尿を出しにくくする方向に働いてしまうんです…。
『抗ヒスタミン薬』は今後の記事で解説予定です。乞うご期待!)
例えばの話…『前立腺肥大症』の方が市販の風邪薬を使うと、
尿が出ずにトンデモナイ事になってしまうリスクがあるんです!
トイレ方面の悩みを抱え、ソレに関する治療を受けている方は
市販薬を使っていいかどうか、予め主治医や薬剤師へ相談しておくと◎。
市販の風邪薬は、とにかく種類が豊富!
「自分の症状に合ったモノってどれ?」と、
判断に迷う事が少なくない…と思われます。
「とにかく、眠くなるのは困る!」
「咳と喉の痛みがメインだから、鼻に効く成分は要らないかなぁ…」等々、
薬に求める条件や、症状は人それぞれです。
市販薬選びに悩む時は是非、“薬剤師”や
“医薬品登録販売者”に相談してみてくださいね!
症状などをしっかりヒアリングした上で、
適切な市販薬を提案させて頂きますよ!